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Re:MMWR(2017.1/27発刊)

15 たばこ・アルコール・薬物中毒 1 教育教材 2017.01.31

MMWRのハイライトの情報、ありがとうございました。

Invasive Cancer Incidence and Survival - United States, 2013 Weekly / January 27, 2017 / 66(3);69-75 https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6603a1.htm?s_cid=mm6603a1_w
で示されているsurvivalについてコメントします。
Table2で、州ごとのがん罹患率を示したのであれば、次には、州ごとのがん生存率を示してほしいところですが、残念ながら、示されていません。

この報告では、
Survival estimates were based on data from NPCR-funded states that met USCS publication criteria and conducted active case follow-up or linkage with CDC’s National Center for Health Statistics National Death Index (5).
とされています。

しかし、active case follow-up と linkage with National Death Indexとを同等に扱うのは問題があります。
この報告の引用文献5のRelative Survival Analysis Using the Centers for Disease Control and Prevention's National Program of Cancer Registries Surveillance System Data, 2000-2007 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4361070/
には、次の記述があります。
Additionally, cases not linking to the state death files and NDI were presumed to be alive and the date of last contact was set to December 31, 2008.
そして、この論文の文献16の
Johnson CJ, Weir HK, Yin D, Niu X. The Impact of Patient Follow-up on Population-based Survival Rates. J Registry Manage. 2010;37(3):86-103
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21462880
には、
CONCLUSIONS:
This study provides evidence to support the importance of complete death ascertainment for producing accurate cancer survival statistics, and that ascertainment of deaths only should generally be sufficient for survival analysis.
とされています。
関連で、下記の報告もあります。
J Natl Cancer Inst Monogr. 2014 Nov;2014(49):210-7. doi:
10.1093/jncimonographs/lgu016.
The impact of follow-up type and missed deaths on population-based cancer survival studies for Hispanics and Asians.
Pinheiro PS1, Morris CR2, Liu L2, Bungum TJ2, Altekruse SF2.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25417234

以上のような事情があるので、追跡方法が異なる州ごとのがん生存率は示されなかったものと考えます。

ところで、わが国の全国がん登録では、全死亡情報と突合して、死亡情報を把握できなかったものは当該年12月31日現在「生存」とするとされることとされています。、
つまり生存状況把握割合が100%であるとしたいようですが、これには、上記のような問題点があります。
全死亡情報との突合による追跡調査は、追跡調査の第1段階としてはありうると考えますが、この『生存』情報が全国がん登録から都道府県がん登録、院内がん登録そして臨床医に提供されるとすると大いに問題があります。この問題点を解決するべくて今から手直しの作業、すなわち国レベルでの住基ネットによる追跡調査の実現に向けて作業を始める必要があると考えます。

大島 明
大阪府立成人病センターがん予防情報センター


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