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MMWR(2017.2/3発刊)

7 感染症 5 トピックス 2017.02.06

CDC発刊のMMWRのハイライトをご報告いたします。

MMWR: February 3, 2017 / Vol. 66 / No. 4

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1.全米黒人HIV/AIDS啓発デー(2017年2月7日)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6604a1.htm?s_cid=mm6604a1_w
2010-2014年に黒人の年間HIV罹患率は16.2%減。しかし新規HIV罹患数(17,640症例)中45%が黒人。
黒人女性のHIV年間罹患率は10万人あたり26.2人で白人女性の16倍、ヒスパニック系女性の5倍。
黒人HIV患者の54%が治療継続中、49%がウイルス検出限界以下に。

2.黒人HIV患者のHIV治療アウトカム(合衆国、2014年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6604a2.htm?s_cid=mm6604a2_w
2014年にHIVの診断を受けた黒人の21.9%がステージ3。HIV診断を受けた黒人の71.6%が1ヶ月以内に治療開始。
2013年末にHIVと診断された黒人のうち53.5%が治療継続中、48.5%が治療達成。
治療率や治療達成率が最低の集団は、注射による感染者および異性からの性感染男性。
また35歳未満では、35歳以上より治療率および治療達成率が低かった。

3.黒人女性におけるHIV診断率の格差に関する変化(合衆国、2010-2014年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6604a3.htm?s_cid=mm6604a3_w
上記の期間において黒人女性のHIV診断率は低下傾向。
HIV診断率のヒスパニック系女性、白人女性と比較したときの格差を3つの指標により評価した結果、いずれも人種間格差は低下傾向。

4.フェンタニル中毒続発(ニューヘイブン、コネティカット州、2016年6月23日)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6604a4.htm?s_cid=mm6604a4_w
2016年6月23日、上記地域で、コカインとして売られたフェンタニルにより6時間の間に12例の中毒患者発生。4人がICU入院、3人が死亡。

5. 高校生における飲料消費の動向(合衆国、2007-2015年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6604a5.htm?s_cid=mm6604a5_w
上記の期間に、高校生の炭酸飲料消費量は33.8%から20.4%に減少。
2007年-2011年には、牛乳やジュースの消費量に変化はなかったが、2011 -2015年では牛乳は44.4%から37.5%に、ジュースは28.2%から21.6%に有意に減少。

6.現場から:黄熱病流行中の男性における、黄熱病ワクチンに関する知識、態度、実践(ルアンダ地区、アンゴラ国、2016年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6604a6.htm?s_cid=mm6604a6_w
2016年1月、同国の保健局は1988年以降同国で確認されていなかった黄熱病発生を確認。
5月8日までに2,267の疑い例。うち696症例(31%)は診断確定。293人(13%)が死亡。445人(64%)がルアンダ地区に居住。
同地区で2-4月に90%の住民にワクチン接種したものの症例は増加、患者の70%が男性であり、接種率の低さの原因を探るため、男性接種者、未接種者に聞き取り調査。
結果、女性や子供を主に接種対象としていたことに加え、仕事のため接種の時間がない(未接種の25%)ことや、ワクチンに対する不安(未接種の22%)などが男性の接種率の低さの原因に。
2016年10月20日現在、6月23日以降のアンゴラにおける黄熱病発生は確認されていない。

7.統計早見図:全年齢における、前年において、医療費のために受療遅延、もしくは受療なしであった人の割合、国勢調査に関する地域別(全米健康調査、2015年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6604a9.htm?s_cid=mm6604a9_w
全年齢の約6%(2010万人)が医療費を理由に受療を延期、4.5%(1420万人)は受療を断念。
北東部居住者は、中西部、南部、西部居住者よりも、受療遅延や受療断念割合は有意に低く、
南部居住者は、北東、中西部、西部よりも受療断念割合は有意に高かった。

(今週の感想)
HIVについて、人種間格差は以前より少なくなったとはいえ、罹患率にはまだまだ差があります。
医療費支払いと地域格差の問題は、年齢調整がされていないとはいえ、南部の貧困が如実に現れていました。

立春も過ぎ、寒さも峠を越しました。今後もよろしくお願いします。

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佐野 尭 (さの たかし)
自治医科大学 地域医療学センター
公衆衛生学部門


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