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MMWR(2017.2/10発刊))

7 感染症 5 トピックス 2017.02.13

CDC発刊のMMWRのハイライトをご報告いたします。

MMWR: February 10, 2017 / Vol. 66 / No. 5

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1.先天性水頭症の有病率および臨床的特徴(ニューヨーク市、2013-2015)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6605a1.htm?s_cid=mm6605a1_w
合衆国本土への輸入ジカウイルス感染の広範な侵入が確認される以前の、2013-2015年におけるニューヨークでの重度の先天性小頭症の罹患率は10,000出生あたり4.2人。
出生病院への問い合わせにより小頭症症例の93%の症例を確認、行政退院データでは小頭症症例の90%を特定。

2.体内に留まっている弾丸の破片(RBF)による血中鉛レベル(BLL)の上昇(合衆国、2003-2012年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6605a2.htm?s_cid=mm6605a2_w
上記の期間において、41州の成人BLLに関するサーベイランスにより、BLLsが10μg/ dL以上の145,811人が確認。
うちRBF関連症例は457人(0.3%)を占めた。
80μg/ dL以上の349人のうち17人(4.9%)がRBF関連、 RBF関連BLLの最高値は306μg/ dL。
RBF関連BLL上昇は、主に16-24歳の男性で生じたが、非RBF関連BLL上昇の症例数は35-44歳で最大。

3.小児及び18歳以下の青少年において推奨される予防接種スケジュール実施に関する諮問委員会(合衆国、2017年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6605e1.htm?s_cid=mm6605e1_w
2016年からの変更は上記リンク参照。

4.19歳以上の成人において推奨される予防接種スケジュール実施に関する諮問委員会(合衆国、2017年)https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6605e2.htm?s_cid=mm6605e2_w
2016年からの変更は上記リンク参照。

5. バイタルサイン:成人における騒音によって生じた難聴(合衆国、2011-2012年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6605e3.htm?s_cid=mm6605e3_w
上記の期間における全米健康栄養調査で20-69歳の参加者3,583人(回答率76.6%)の自記式質問紙(騒音環境の有無)およびオージオメトリー検査(片側もしくは両側のnotchの有無)データを解析。
成人の24%にオージオメトリー上notchが確認。年齢とともにnotchが存在する割合は増加し20代では19.2%、50代では27.3%で一貫して男性>女性。
聴覚に問題がないと回答した参加者の23.5%にもnotch存在(両側5.5%, 片側18%)。
騒音環境にいると回答した参加者では31.0%で騒音環境にいないと回答した者(20.1%)よりnotchを有した割合は高かった。

6.現場から:ハリケーン・マシューに関連する死亡率(合衆国、2016年10月)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6605a3.htm?s_cid=mm6605a3_w
2016年10月6-8日にかけ合衆国南東部をカテゴリー1のハリケーン・マシュー(持続風速毎秒約30m)が襲来。
沿岸及び内陸の河川に洪水を引き起こし、約200万人が避難。
4州において43人のハリケーン関連死が報告され、23人(54%)が溺死。うち18人(78%)が車内における溺死。
15cm以上の水量で自動車の制御は不可能となり、60cm以上の水量で多くの自動車は浮いてしまうと、公衆に警告する必要あり。

7.統計早見図:買い物、映画鑑賞、スポーツ観戦に関する外出が困難な45歳以上の成人の割合、難聴の程度、性別(全米健康調査、合衆国、2014-2015年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6605a7.htm?s_cid=mm6605a7_w
上記の期間において、45歳以上の成人は男女とも、聴力障害(補聴器の使用を含む)の程度が増加するほど、上記の活動が困難な割合が増加。
(聴覚障害のない成人の8.1%、聴力にやや問題がある成人の16.4%、聴力障害のある成人の24.3%が活動困難)
また、女性においては難聴の各レベルにおいて活動困難割合が男性より多かった。

(今週の感想)
ジカ熱流行以前の小頭症のベースラインデータ報告がありました。
弾丸破片によるBLL増加は銃社会ならでは、という気がします。なお、Discussionには「鉛中毒症状がみられた場合には弾丸破片による可能性を考慮すること」という言葉はありましたが、
特に銃規制すべき、ということは書かれていませんでした。
ハリケーン関連自動車内溺死について、具体的な水量による自動車制御不能に関しては日本でももっと広めていくべきかと思います。

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佐野 尭 (さの たかし)
自治医科大学 地域医療学センター
公衆衛生学部門


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