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MMWR(2017.5/12発刊)

7 感染症 1 教育教材 2017.05.18

CDC発刊のMMWRのハイライトをご報告いたします。

MMWR: May 12, 2017 / Vol. 66 / No. 18

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1.肝炎啓発月・検査デー(2017年5月)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6618a1.htm?s_cid=mm6618a1_w
HCVは2013年に合衆国で発生したウイルス性肝炎で最多。年に約19,000人死亡しておりこれは他の60の届け出感染症を合計した数より多い。
2010-2015年には、薬物注射常用若年者におけるHCV罹患率は294%増。

2.州ごとの薬物注射常用者におけるHCV罹患率と、HCV予防に関する政策(合衆国、2015-2016年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6618a2.htm?s_cid=mm6618a2_w
2015年では、17州において急性HCV発生率が全国平均を上回った。
薬物注射常用者に対して包括的な予防・治療を行う州法やメディケイド政策を採っている州は3州しかなかった。

3.出産女性におけるHCV感染(テネシー州、合衆国、2009-2014年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6618a3.htm?s_cid=mm6618a3_w
上記の期間に、母体HCV感染は、州ごとのばらつきは見られたものの、報告した州においては約2倍に増加。
テネシー州における出産に関する分析では、郊外在住者では母性HCV感染の確率のオッズが3倍以上増加。
HCV感染オッズは、妊娠中の喫煙者で4倍、HBV感染者で17倍、増加。

4.高校生における飲酒者および大量飲酒者(合衆国、1991-2015)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6618a4.htm?s_cid=mm6618a4_w
合衆国の高校生の飲酒率は、1991年の50.8%から2007年の44.7%に大幅に低下し、2015年にはさらに32.8%に低下。
大量飲酒者の割合は、1991年の31.3%から1999年の31.5%に増加したが、2015年には17.7%に大幅に低下。
2015年には、高校生の3人に1人が過去30日間に飲酒、6人に1人は大量飲酒者。
高校生のうち飲酒の経験がある者は57.8%で、大量飲酒者も多く、5人の大量飲酒者のうち2人以上が、連続して8杯以上飲んでいた。

5. CDCグランドラウンド:脳卒中を予防・治療するための公衆衛生学的戦略
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6618a5.htm?s_cid=mm6618a5_w
上記リンク参照

6.コレラワクチン接種に関する諮問委員会による勧告
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6618a6.htm?s_cid=mm6618a6_w
上記リンク参照

7.現場から:重症ヒトメタニューモウイルス(HMPV)感染(ノースダコタ、2016年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6618a7.htm?s_cid=mm6618a7_w
2016年5月27日、ノースダコタ健康局が1つの大病院において発生したHMPV感染による、2人の児童の死を含む、重篤な呼吸器疾患群を報告。
HMPVは上気道・下気道どちらも侵しうる感染症で、細気管支炎や肺炎が若年児童や高齢者に好発。
2016年4-5月にかけて6人のHMPV陽性小児患者が特定され、rt-PCRで確定診断。
6人中5人は未熟児、先天性心疾患、気管肺低形成などの基礎疾患あり。
4人が人工呼吸を必要とし、うち2人はARDSや気胸に。6人中2人が死亡。生存した4人はすべてネイティブアメリカン。
他の病院にも調査を拡大した結果、11人の小児患者と27人の成人患者が特定され、小児患者のうち9人が医療を必要とした。
27人の成人患者(年齢中央値は69歳)の全員が白人で、その全員が、特に慢性肺疾患や慢性心不全に対して医療を必要とした。うち22人は現在もしくは過去喫煙者。
ネイティブアメリカンの児童に入院を必要治するHMPVリスクがあるかについては現在不明。

8.アナウンスメント
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6618a8.htm?s_cid=mm6618a8_w
全米脳卒中啓発月(2017年5月)
合衆国では脳卒中は死因第5位で4分に1人がこれにより死亡。
予防可能であり大部分が治療可能であるにも関わらず年齢調整死亡率は2014年の10万人あたり36.5人から、2015年の37.6人に増加。
死者の60%は女性で、女性では卒中後の機能的後遺症が男性より悪い。

地域予防サービスタスクフォースによる身体活動を増加させるための家族ベースの介入に関する勧告
上記リンク参照

9.統計早見図:アルコール関連した原因による年齢調整死亡率、人種別(合衆国、1999-2015年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6618a12.htm?s_cid=mm6618a12_w
2015年には、アルコール関連原因による死亡率は、1999-2015年の間で最高となり、標準人口10万人あたり9.1に。
死亡率はヒスパニック系で最も高く(10万人あたり9.9人)、非ヒスパニック系では9.6人。
1999-2015年においては、黒人ではアルコール関連原因となった死亡率は33%減少、白人では50%増加。
全体としては、1999年から2015年までに、アルコール関連原因による死亡率は28%増加(7.1から9.1に)。

(今週の感想)
HCVに関する記事が多くありました。
だんだん暑くなってきました。今後もよろしくお願いします。

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佐野 尭 (さの たかし)
自治医科大学 地域医療学センター
公衆衛生学部門


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