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MMWR(2017.6/2発刊)

7 感染症 5 トピックス 2017.06.07

CDC発刊のMMWRのハイライトをご報告いたします。

MMWR: June 2, 2017 / Vol. 66 / No. 21

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1.Amanita phalloides(タマゴテングタケ)中毒(カルフォルニア州北部、2016年12月)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6621a1.htm?s_cid=mm6621a1_w
2016年12月には、栽培された野生キノコを摂取した人々の間で、カリフォルニア毒物管理システム(CPCS)によりAmanita phalloides中毒14症例が同定。
この発生の過去数年間で、CPCSに報告されたキノコ中毒症例は年間数件。
全患者に、脱水や肝毒性をもたらす胃腸症状あり。
3人の患者が肝臓移植、全患者は回復したが、1人(子供)には永続的な神経学的障害が残った。

2.HIV非感染女性とHIV感染男性との妊娠の際のHIV感染予防戦略(合衆国)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6621a2.htm?s_cid=mm6621a2_w
精液処理は、HIV不一致のカップルの受胎に際して実行可能な選択肢とかんがえられる。
抗レトロウイルス療法、抗レトロウイルス予防措置予防、精液洗浄などの適切なリスク軽減戦略が実施されれば、HIV感染者からHIV非感染女性への感染リスクは低い。
HIV不一致のカップルにおいては、医療提供者とリスクを議論したあとで、女性の排卵周期に合わせたコンドームなしの性交や子宮内授精を考慮すべきである。

3.抗レトロウイルス療法(ART)登録者における進行したHIV有病率のトレンド(10カ国、2004-2015年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6621a3.htm?s_cid=mm6621a3_w
10カ国からの成人ART記録694,138件の分析では、2004年-2015年の進行HIVの罹患率は8カ国で低下した。
モザンビーク、ナミビア、ハイチにおける、進行HIV有病率それぞれは73%から37%、80%から41%、75%から34%に有意に減少(p<0.001)。
また残りの7カ国中5カ国で進行HIVの有病率の大幅な低下が観察。

4. ツラレミアと誤診されたVeillonella(アイダホ州、2016年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6621a4.htm?s_cid=mm6621a4_w
2016年10月、アイダホ州公衆衛生局ラボは、ある入院患者からの膝関節液から培養された細菌を96%の確率でAMIS(自動細菌判定システム)によりツラレミアと判定。
同患者からの感染の可能性のある19人の病院スタッフに抗生剤開始。
しかしrtPCRによればツラレミアやブルセラ菌は検出されず、Veillonellaと判定され、患者への抗生剤は変更された。
これはVeillonellaをツラレミアと誤診した初報告であり、AMISによりツラレミアと判定された場合にはVeillonellaを念頭に置く必要がある。

5. 読者へ:特別Podcast、MMWRの歴史的瞬間−大腸菌O157:H7
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6621a5.htm?s_cid=mm6621a5_w
上記リンク参照
1992-1994年のO157:H7流行(約700人が感染、4人の児童が死亡)の際のMMWRの貢献について語られる。


6.統計早見図:自動車事故の年齢調節死亡率、都市化別(2005年と2015年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6621a6.htm?s_cid=mm6621a6_w
10万人あたりの交通事故死亡率は2005年の10万人あたり14.6人から2015年の10.9人に25%減少。
各群において死亡率は低下し、首都圏と中都市においては26%減少、農村部では20%減少。
両年とも、非大都市圏の方が大都市圏よりも死亡率は高かった。
2015年では、農村部の交通事故死亡率は、大都市圏の3倍近く(それぞれ10万人あたり23.0, 7.9)。

(今週の感想)
キノコ中毒の流行という見慣れない話題がありました。
交通事故については、前回の交通手段としての歩行時間の記事との比較も面白いかと思います。

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佐野 尭 (さの たかし)
自治医科大学 地域医療学センター
公衆衛生学部門


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