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MMWR(2017.11/17発刊)

7 感染症 5 トピックス 2017.11.22

CDC発刊のMMWRのハイライトをご報告いたします。

MMWR: November 17, 2017 / Vol. 66 / No. 45

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1.成人果実・野菜摂取に関する州でみられる格差(合衆国、2015年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6645a1.htm?s_cid=mm6645a1_w
上記年において、成人において果実を推奨量摂取している割合は12.2%、野菜を推奨量接種している割合は9.3%
男性、若年成人、貧困の程度が大きい成人で摂取は少なく、州ごとの格差もみられた。
サブグループにおける果物摂取に関する最大の格差は性であったが(女性15.1%、男性9.2%)、野菜に関しては貧困の程度であった
(世帯収入の最も高い群では11.4%、貧困では7.0%)。

2.CDCグランドラウンド:慢性疾患に関する内服アドヒアランスを改善させるには−革新と機会
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6645a2.htm?s_cid=mm6645a2_w
合衆国では年間38億の処方箋が処方されており、約1/5の新しい処方箋は薬を出されないまま、処方された薬に関しては
約50%が不適切に服用されているとみられる(時間、容量、頻度、服薬期間に関して)。
アドヒアランスの不適切により合衆国の健康ケアに関する千億ドル−三千億ドルが消費されているとみられる。
戦略としては以下のようなものが挙げられる、1)医療提供者へのアクセスを確保することで医療の連続性を高める、チーム医療を実現する、
2)治療のレジメンやその利益について患者に教育し、治療への意欲を高める、3)内服への障壁を減少させる(低コスト化、医療への意欲を高める、など)、
4)医療情報技術により意思決定の改善やコミュニケーションの円滑化を推進させる。

3.世界におけるルーチンのワクチン接種率(2016年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6645a3.htm?s_cid=mm6645a3_w
DTP3回接種、ポリオ3回接種、麻疹含有ワクチン1回接種については全世界の接種率は2010年以降84-86%で変化なし。
新規もしくは使用の多くないワクチンに関しては、2010-2016年の間にロタウイルス:8%→25%、肺炎球菌:11%→42%、
風疹:35%→47%、Hib:42%→70%、B型肝炎ワクチン:74%→84%、と増加。
ワクチン接種率はWHOによる管轄区域、国、地域によって大いに異なり、低所得国、紛争地域ではワクチンへのアクセスが減少。

4. 風疹および先天性風疹症候群のコントロールおよび撲滅への進展(全世界、2000-2016年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6645a4.htm?s_cid=mm6645a4_w
上記の期間に、風疹含有ワクチンが53カ国で導入(2012年以降は20ヶ国)。
2016年12月までに、194ヶ国中152ヶ国(78%)でワクチン使用。
導入によるワクチン接種率増加によって風疹症例は、2000年では670,894例→2012年では94,277例→2016年では22,361例と減少。
風疹および先天性風疹症候群の排除は、2015年にWHOアメリカ大陸地域で確認。
欧州地域では53ヶ国中33ヶ国(62%)が風疹国内感染および先天性風疹症候群を排除。

5.  アナウンスメント:世界自動車事故犠牲者追悼デー(2017年11月19日)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6645a5.htm?s_cid=mm6645a5_w
自動車事故は全世界での死因第9位となっており、15-29歳の死因第1位。
約125万人が毎年自動車事故で死亡し、2000万人−5000万人が負傷。
約90%の自動車事故死は低所得国・中所得国で発生しているが、合衆国では毎日100人の死者と何千人もの負傷者が自動車事故により発生している。
合衆国における2016年の自動車事故死は前年を5.6%上回る37,461人。
CDCは国連とWHOによる道路安全政策(2020年までに自動車事故死を500万人減少させることを目標)を支援している。詳しい情報は下記リンク参照。
http://www.who.int/violence_injury_prevention/publications/road_traffic/ngo_guide/en/

6.統計早見図:20-64歳の成人における、過去12ヶ月間に医療専門家によって血中コレステロール値を測定した割合、
人種別(米国健康調査、合衆国、2011年と2016年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm6645a8.htm?s_cid=mm6645a8_w
全体では2011年の56.0%から2016年の61.7%に増加。
ヒスパニック系(49.0%→56.7%)、白人(56.8%→62.5%)、黒人(60.8%→65.6%)、アジア人(55.8%→63.0%)といずれの人種でも増加を認めた。
両年とも割合は、黒人>白人>ヒスパニック系であり、ヒスパニック系は全人種の中で最低であった。

(今週の感想)
果物(女性>男性)と野菜(高所得>貧困)についての摂取率の差が興味深く思えました。
自動車事故については日本では減少傾向ですが、合衆国では増加、というのも興味深いです。人口増加だけでは説明つかないようです。
寒くなってきましたが今後もよろしくお願いします。

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佐野 尭 (さの たかし)
自治医科大学 地域医療学センター
公衆衛生学部門


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