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MMWR(2018.1/5発刊)

7 感染症 5 トピックス 2018.01.08

CDC発刊のMMWRのハイライトをご報告いたします。

MMWR: January 5, 2017 / Vol. 66 / No. 51-52

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1.高校生(第9学年-第12学年)における性交体験(29州および合衆国全体、2005-2015年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm665152a1.htm?s_cid=mm665152a1_w
青少年リスク行動調査(Youth Risk Behavior Survey)の分析の結果、全国の高校生のうち性行為の経験がある割合は、上記期間において有意に減少(全体では46.8%から41.2%に)。
第9学年、第10学年、すべての学年における黒人およびヒスパニック系でも減少がみられた。
同様のパターンは入手可能なデータを有する州の半分で認められた。

2.成人関節炎患者の身体活動及び運動に対する医療専門家によるカウンセリング(合衆国、2002年および2014年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm665152a2.htm?s_cid=mm665152a2_w
成人関節炎患者の運動に関する医療専門家によるカウンセリング受療率は2002年の51.9%から2014年の61.0%に17.6%の増加。
しかし成人関節炎患者の40%は依然として運動に関するカウンセリングを受けておらず、また、その他の人種(白人、黒人、ヒスパニック系以外)、現在喫煙者、不活動成人、かかりつけ医のいない成人、についてはHealthy People 2020年の目標値57.4%を下回っている。

3.妊娠時至適体重の割合および傾向(48州、ニューヨーク市、コロンビア特別区、2011-2015年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm665152a3.htm?s_cid=mm665152a3_w
上記地域の改訂版出生証明書データによる分析によれば、2015年において妊娠時体重が至適域(BMI18.5-24.9)にあった割合は45.0%(37.7%-52.2%)。
上記期間のBMIデータが入手可能な36州、ニューヨーク市、コロンビア特別区で、同割合は47.3%から45.1%に低下しており、すべての区域において減少が認められた。
また妊婦年齢・人種で調整済み割合は27区域で減少は有意であった。

4. 現場から:アヘンへの鉛混入(イラン、2016年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm665152a4.htm?s_cid=mm665152a4_w
イランにおいて2016年2月-10月までに約3000人のアヘン常用者がテヘランのLoghman-Hakim病院毒物センターにおいて血中鉛高値と診断(47-1,124μg/dL)。
同年2月-11月にかけ、14人の麻薬運び屋が違法薬物を自分の消化管に隠して運搬していたことが判明。
彼らのCTスキャンの結果、鉛と思われる放射線透過性の低い物質が腸内にあることが判明し、4人がアヘン、2人がヘロイン、5人がメタンフェタミン、3人がヘロインとメタンフェタミンを運搬していた。
運び屋たちには中毒症状はなく、血中鉛値も2-17μg/dLとさほど高値ではなかった。
鉛中にパックされたアヘンについては、鉛が3.55mg/gと高濃度で含有。
アヘンの主要供給ルートとしては、アフガニスタンからイラン経由で全世界に運ばれるルートが存在する。

5.  現場から:地域共同体病院における患者で発生したカルバペネマーゼ産生カルバペネム耐性腸内細菌(CP-CRE)に関する調査(ケンタッキー州、2016年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm665152a5.htm?s_cid=mm665152a5_w
2016年8月11日、同州の病院に入院していた2人の患者からKlebsiella pneumoniaeカルバペネマーゼ(KPC)産生CP-CREが検出。
その後4ヶ月の間に同病院患者から21のCRE検出された(17がKlebsiella pneumoniae, 5が大腸菌、1人がEnterobacter cloacae)。
14の利用可能な細菌検体からは2種類のタイプのカルバペネマーゼが確認(13がKPC産生、1つがニュー・デリー・メタロβラクタマーゼ)。
カルテ及びインタビュー調査の結果、入院時検査を受けなかった患者の細菌が院内感染を広げたとみられる。

6.アナウンスメント:全米先天性異常予防月間および葉酸啓発週間(2018年1月)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm665152a6.htm?s_cid=mm665152a6_w
ジカウイルスのアウトブレイクにより、感染症による先天性異常新生児への関心が高まったため、2018年の全米先天性異常予防月間のテーマは「赤ちゃんを守るために感染症を予防しよう」に。
先天性異常は合衆国の新生児33人のうち1人に発生しており、リスクを減少させる方法として、インフルエンザや百日咳のワクチン接種、蚊などの昆虫から身を守る、幼児や赤ん坊のつばや尿を避ける(サイトメガロウイルスなどの感染を防ぐため)、ことなどが推奨されている。
詳しい情報は下記リンク参照
https://www.cdc.gov/ncbddd/birthdefects/prevention-month.html
また、葉酸摂取週間(1月7-13日)については、CDCは全ての生殖可能年齢の女性、特に二分脊椎症などの神経管閉鎖障害の多いヒスパニック系やラテン系女性に1日400μgの葉酸を摂取するよう勧めている。
詳しい情報は下記リンク参照
https://www.cdc.gov/ncbddd/folicacid/index.html%20

7.統計早見図:18歳以上の成人のうち、電子タバコを常用している割合、性・年齢別(全米健康調査、2016年)
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm665152a7.htm?s_cid=mm665152a7_w
2016年には男性の3.8%、女性の2.6%の成人が電子タバコを常用。
男性では18-24歳で7.1%、25-49歳で4.8%。50-64歳で2.6%、65歳異常で1.1%、と高年齢ほど割合は減少。
女性では18-24歳で2.3%、25-49歳で3.3%。50-64歳で3.0%、65歳異常で0.9%
18-49歳の男性では同年齢の女性と比較して電子タバコ常用の割合が高かった。

(今週の感想)
高校3年生の性交体験については、東京都幼・小・中・高心性教育研究会(都性研)の報告によれば、日本でも都内に限って言えば2008年から2014年の間に体験割合は大幅に減少しているようです。
http://www.jase.faje.or.jp/jigyo/journal/seikyoiku_journal_201412.pdf
妊娠時体重については、合衆国の多くの州で肥満傾向にあることが妊婦にも反映されていると思われます。
今年もよろしくお願いします。

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佐野 尭 (さの たかし)
自治医科大学 地域医療学センター
公衆衛生学部門


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