ギャンブル依存症の決定的な要因は、実のところ分かっていません。
依存してしまう理由は当人の環境や状況によっても変わるためです。
また、確立された治療法というのもありません。
ですが、今までの研究結果からギャンブル依存症になりやすい傾向の人は分かっています。
この記事ではギャンブル依存症患者になり得るリスク要因などを考察します。
ギャンブル依存症に陥る年代は35歳未満に多いとされています。
新しい刺激を求める傾向にあることと、年配層と比較して衝動的に行動するためです。
「やめたくてもやめられない」といった強迫的な依存傾向が強いです。
一方で高齢者にも多いとされています。孤独感からくる不安などから始めるケースが多いです。
また、カジノ施設が認可されている国ではシニア向けのサービスやツアーを行っているところもあります。
孤独な高齢者にとって、組織的なツアーは魅力的に感じるでしょう。
こういった取り組みも依存症患者が増えてしまう要因となっています。
ギャンブル依存症患者の比率は男2:女1程度の割合です。男性に多いとされていますが、女性も少なくありません。
しかし、のめり込むスピードは女性のほうが早いと推測されています。
男性は依存症となるまでギャンブルを始めて4年程度かかるのに対し、女性は1年未満で発症するという報告もあります。
女性の場合は、より早期の治療が求められるでしょう。
ギャンブル依存症患者の中には、特定の精神的な疾患や病気を持っている場合もあります。
特に躁病やうつ病などの双極性障害を持っている患者が顕著です。
躁病の場合は興奮や刺激を求め、うつ病は現実から目を背ける手段として依存してしまうケースが多いです。
精神的な病気で判断力が損なわれてしまっている状況だと、依存のリスクはより高くなります。
衝動的に行動する性格の人は、依存症のリスクが高いとされています。
特に3歳の時点で「落ち着きがない」子供だった場合、そうでない子供よりも依存症のリスクが高いという研究結果があります。
一卵性双生児で片方がギャンブル依存症の場合、もう片方もギャンブル依存症になる可能性が高いという報告があります。
一方で二卵性双生児の場合は、一卵性双生児よりもリスクが少ないとされています。
家庭環境的にも家族がギャンブルを日常的に行っている場合、その子供も依存症になるリスクは高くなります。
ギャンブル依存の理由は様々ですが、回復には周囲の協力が不可欠でしょう。
依存症としてのギャンブルを理解し、それをどう認識し、どう打ち負かすか。